犬の病気と健康  

ワン

ある日、仕事中に娘からの電話。「パパ大変!クロが・・」いままで仕事場に電話など 滅多にかけて来る事は無かっただけに嫌な予感。しかし、その声はいやに弾んで聞こえます。
「クロがどうした?」問いかける私に、興奮した様子の娘が一言「クロが吼えた!」 「そうかっ?すごいな♪良かったな〜!」何も、犬が「ワン」と吼えても当たり前の話で あるが、私たちにとっては一大事。
そう、クロは発病してから咬筋、つまり口を動かす為の筋肉も蝕まれていたせいか、 全く吼えることをしなくなっていたのです。あの日から私たちが耳にしていたのは「クゥ〜」 「キャイン」「ヒィー」といったクロの苦痛の声ばかりでした。
その日はよほど調子が良かったのか、何かを思い出したかのように「ワン」「ワン」と何回か 吼えたといいます。すかさず娘はその様子を携帯の動画機能に収めて私に送ってくれました。
帰宅してからも久しぶりに聞くクロの鳴き声を、何度も何度も繰り返し再生しながら私たちは 小さな小さな幸せをかみしめていました。
辛い闘病生活の中にも、このように僅かな光が差し込むような瞬間が何度か訪れます。
そんなささやかな出来事が、クロの生きる力や私たちの僅かな希望へとつながって、 明日への活力となってくれるのでした。
いったい何ができる? サジ加減

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