犬の病気と健康  

奇跡の始まり

数分で家に帰り着き、玄関の方を見ると、先に車を降りた娘が玄関のドアを少し開けたまま立ち尽くしていました。
その頃のクロは筋炎の痛みと体力の低下で、数日前から自力で立ち上がる事は困難になっていましたので、居間の隅っこに敷いた毛布の上に寝かせていました。
私が娘の後ろからドアを開けると、自分では立ち上がれない筈のクロが玄関の上がり框に立って、こちらを見ていたのでした。
私も一瞬立ち尽くしてしまうほど驚きましたが、すぐに二人で駆け寄ってクロの体を支えるようにしながら体を撫でてやると、嬉しそうにシッポを振って応えてくれたのです。
その瞳は、まるで数分前までの私たちの会話を見透かしたかのように優しく穏やかでした。
効果の有る無し、可能性の大小に関わらず、クロを少しでも楽にしてやりたい、そして、一分一秒でも長く、一緒の時を刻んでいける様、出来る限りの事をしてあげようと決めた私たちに応えようとするクロの優しい気持ちが動物本来の自然な治癒能力や生体を活性化させる「生」に対する本能を呼び覚ましたのでしょうか?
このときが奇跡の始まりだったのかもしれません。
家族の一員として せめてもの思い出に

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